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東京地方裁判所 平成3年(特わ)2717号 判決 1992年6月02日

本店所在地

東京都千代田区麹町五丁目七番地

株式会社

番町不動産取引センター

(右代表者の住居 東京都板橋区加賀二丁目三-一-一〇〇一)

(右代表者代表取締役 西田順)

本籍

東京都渋谷区千駄ヶ谷三丁目一三番地

住居

同都同区三丁目一三番八-四〇三号

会社員

西田喜公

大正一五年六月一日生

右両名に対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官范揚恭、弁護人山田宰各出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告会社株式会社番町不動産取引センターを罰金六〇〇〇万円に、被告人西田喜公を懲役二年にそれぞれ処する。

被告人西田喜公に対し、この裁判の確定した日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社株式会社番町不動産取引センター(以下、被告会社という)は、東京都千代田区麹町五丁目七番地に本店を置き、不動産の売買等を目的とする資本金二〇〇〇万円の株式会社であり、被告人西田喜公は、被告会社の代表取締役として被告会社の業務全般を統括していたものであるが、被告人西田喜公は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上を除外するなどの方法により所得を秘匿したうえ

第一  昭和六一年一一月一日から同六二年一〇月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二億四九五四万〇七五六円、課税土地譲渡利益金額が九六六八万八〇〇〇円(別紙一の1修正損益計算書のとおり)であったのにかかわらず、同六二年一二月二五日、東京都千代田区九段南一丁目一番一五号所轄麹町税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四二五七万八五三九円、課税土地譲渡利益金額が二五〇八万九〇〇〇円の欠損で、これに対する法人税額が一六七一万三〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額一億二二九七万四六〇〇円と右申告税額との差額一億〇六二六万一六〇〇円(別紙二の1脱税額計算書のとおり)を免れ

第二  昭和六二年一一月一日から同六三年一〇月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が三億八六二六万八九〇五円(別紙一の2修正損益計算書のとおり)であったのにかかわらず、同六三年一二月二四日、前記麹町税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一億二五五〇万六三四一円で、これに対する法人税額が五一一一万五一〇〇円(ただし、申告所得額に基づく税額は、五一一四万〇二〇〇円)である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額一億六〇六六万〇二〇〇円と右申告所得額に基づく税額との差額一億〇九五二万円(別紙二の2脱税額計算書のとおり)を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一  被告人西田喜公の当公判廷における供述

一  被告人西田喜公の検察官に対する各供述調書

一  被告会社代表者西田順の検察官に対する各供述調書

一  塚田修、小松川和子の検察官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の支払手数料調査書

一  大蔵事務官作成の外交員報酬調査書

一  大蔵事務官作成の受取利息調査書

一  大蔵事務官作成の有価証券売買損益調査書

一  大蔵事務官作成の口座管理料調査書

一  大蔵事務官作成の事業税認定損調査書

一  大蔵事務官作成の領置てん末書

一  登記官作成の各登記簿謄本

判示第一の事実につき

一  大蔵事務官作成の土地建物売上高調査書

一  大蔵事務官作成の受取手数料調査書

一  大蔵事務官作成の土地建物仕入高調査書

一  大蔵事務官作成の受取配当金調査書

一  大蔵事務官作成の課税土地譲渡利益金額調査書

一  検察事務官作成の捜査報告書

一  押収してある法人税確定申告書(六二・一〇期)一袋(平成四年押第二七六号の1)

判示第二の事実につき

一  押収してある法人税確定申告書(六三・一〇期)一袋(前同押号の2)

(法令の適用)

被告人西田喜公の判示各行為は、いずれも法人税法一五九条一項に、被告人西田喜公の判示各所為はいずれも被告会社の業務に関してなされたものであるから被告会社につきいずれも同法一六四条一項、一五九条一項にそれぞれ該当するところ、被告人西田喜公につき各所定刑中いずれも懲役刑を選択し、被告会社につきいずれも情状により同条二項を適用し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、被告人西田喜公につき同法四七条本文、一〇条により犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重をし、被告会社につき同法四八条二項により各罪所定の罰金を合算し、被告人西田喜公につき加重した刑期の、被告会社につき合算した金額の各範囲内で被告人西田喜公を懲役二年に、被告会社を罰金六〇〇〇万円にそれぞれ処し、被告人西田喜公に対し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判の確定した日から三年間右刑の執行を猶予する。

よって主文のとおり判決する。

(求刑・被告人西田喜公に対し懲役二年、被告会社に対し罰金七〇〇〇万円)

(裁判官 伊藤正髙)

別紙一の1

修正損益計算書

自 昭和61年11月1日

至 昭和62年10月31日

<省略>

別紙一の2

修正損益計算書

自 昭和62年11月1日

至 昭和63年10月31日

<省略>

別紙二

ほ脱税額計算書

1 自 昭和61年11月1日

至 昭和62年10月31日

<省略>

2 自 昭和62年11月1日

至 昭和63年10月31日

<省略>

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